5月の注射から早いもので5ヶ月
今年の5月、新しく登場した長時間作用型の抗IL-5抗体薬「エキシデンサー(一般名:デペモキマブ)」を注射しました。
「半年に1回の投与で済む」という圧倒的な通院間隔の短さに大きな魅力を感じ、重症喘息と好酸球性胃腸炎という二つの好酸球系疾患を抱える身として、かなり期待を寄せてのスタートでした。
あれから季節が変わり、早くも5ヶ月が経過。次回の投与予定(半年後)が徐々に近づいてきたこのタイミングで、一人の患者として感じているありのままの体感と経過を記録しておこうと思います。
結論から言うと、手応えは正直「イマイチ」
結論を包み隠さず言ってしまうと、私の体感としては「うーん、期待していたほど劇的な改善ではないな……(イマイチ)」というのが正直なところです。
私はもともと、検査をすると呼気中の一酸化窒素(FeNO)や好酸球の数値が跳ね上がりやすい、典型的な好酸球性気道炎症のタイプです。IL-5をターゲットにした抗体薬のド真ん中の適応のはずなのですが、日々の生活がパッと晴れやかになったかというと、決してそうではありません。
具体的な日常の様子をいくつか挙げます。
1. サルタノール(発作止め)は相変わらず週3回ペース
生物学的製剤がバチッとハマった患者さんの体験談などを聞くと、「発作止めの吸入をほとんど使わなくなった」という話をよく耳にします。
しかし私の現在地はというと、発作止めのサルタノールをいまだに週に3回は使っています。
「週3回も吸入が必要な状態」というのは、喘息のコントロール状態としては決して「良好」とは言えません。夜間や早朝、あるいはちょっとした気候の変化や刺激で、やはり気道が狭くなってヒューヒュー、ゼロゼロと息苦しさが込み上げてきます。
2. 一度喉が苦しくなると、その日はもう活動的になれない
喘息の何が一番こたえるかというと、発作そのものの苦しさはもちろんのこと、発作が起きた後の強烈な消耗感です。
一度喉がぎゅっと締め付けられるような発作に見舞われると、サルタノールを吸って一時的に気管支を広げたとしても、身体の奥に残る重だるさや疲労感が抜けません。気力も体力もすっかり削ぎ落とされてしまい、その日の予定はすべてキャンセル、横になってじっとしているしかなくなります。「一度発作が来たら、もうその日は動けない」という生活の制約は、以前と大きく変わっていません。
3. 呼吸苦から頭痛が誘発される悪循環
さらにやっかいなのが、持病である頭痛(片頭痛・群発頭痛)との連動です。
喘息発作で激しく咳き込んだり、酸素の取り込みが浅くなったり、苦しさで首や肩周りが極度に緊張すると、それを引き金にしてズキズキとした激しい頭痛がセットで襲ってくることがよくあります。
「息が苦しい」のと「頭が割れるように痛い」のが同時にやってくる時間は、まさに地獄そのものです。どちらの薬をどのタイミングで飲むべきか、朦朧とした頭で判断を迫られることになります。
好酸球性胃腸炎(お腹)への波及効果はあったのか?
エキシデンサーを打つ際、心の中で密かに期待していたもう一つのポイントがありました。
それは、「全身のIL-5を強力に抑えてくれるなら、腸に好酸球が浸潤して暴れている好酸球性胃腸炎のほうも、ついでに少し落ち着いてくれないだろうか?」という淡い期待です。
これについての5ヶ月目の結果はというと――残念ながら、お腹のほうも相変わらず腹痛と下痢を繰り返しています。
突然差し込むような強烈な腹痛、トイレへ駆け込む毎日。腸の粘膜で起きている好酸球の炎症は、そう簡単には引き下がってくれないようです。もちろん、エキシデンサーは喘息の薬として承認されているものであり、好酸球性胃腸炎に対して確立された適応があるわけではないので、効果がなくても文句は言えません。ただ、「お腹にも良い影響があれば儲けもの」と考えていた身としては、少し肩透かしを食らったような寂しさがあります。
「イマイチ」の裏にある患者特有の葛藤
ここまで不満や辛い現状ばかりを並べてしまいましたが、頭の片隅にはずっと消えない疑問と葛藤があります。
「でも、エキシデンサーを打っているからこそ、この程度で済んでいるのだろうか?」
これが、難病治療やバイオ製剤を使っている患者が誰もがぶち当たる、一番判断の難しい壁です。
もしエキシデンサーを打っていなかったら、今頃は週3回のサルタノールどころではなく、大発作を起こして救急搬送されていたかもしれない。プレドニン(経口ステロイド)を一気に何十ミリも増量せざるを得ない事態になっていたかもしれない。入院を余儀なくされていたかもしれない。
「期待したほどスッキリ良くならない=効いていない」と切り捨てるべきなのか、それとも「派手な大爆発を起こさずに、この水準で踏みとどまらせてくれている=十分に仕事をしてくれている」と感謝すべきなのか。自分の身体の中のことなのに、比較対象の「薬を使っていない自分」がいないため、どうしても確信が持てないのです。
次の診察(6ヶ月目)に向けて主治医と話したいこと
エキシデンサーは「半年に1回」という非常に長いスパンで付き合う薬です。
月1回投与のヌーカラ(メポリズマブ)やファセンラ(ベンラリズマブ)と違い、投与間隔が長いため、日々の生活の中で薬の効果がどのように推移しているのかを見極めるのにも時間がかかります。
もしかすると、5ヶ月が経過して血中濃度が下がり気味になり、効果の谷間に入っているのかもしれません。あるいは、そもそも私の好酸球の暴れっぷりに対して、この薬のパワーバランスが合っていないのかもしれません。
来月にはいよいよ投与後6ヶ月の節目を迎え、次回の注射をどうするか主治医と決めることになります。
その際には、
- サルタノールの使用頻度が週3回ペースから減っていないこと
- 発作後の活動性の低下と頭痛の誘発が続いていること
- お腹(胃腸炎)の症状には変化が見られないこと
これらの現実を包み隠さずそのまま主治医に伝え、「このままエキシデンサーを2回目も継続して様子を見るべきか」、それとも「他の生物学的製剤(ヌーカラやファセンラ、あるいはデュピクセント等)への切り替え・再検討を視野に入れるべきか」、じっくり相談してこようと思います。
同じように好酸球性の病気や重症喘息で新しい薬を試している方、思うようなスカッとした効果が出ずにモヤモヤしている方の参考になれば幸いです。また次回の診察を終えたら、その後の展開をご報告します。
