【EVモータ論】小型高効率主駆動用モータの開発 – Honda論文サイトに基づく実務解説
Honda技術研究所の論文サイトは、小型高効率主駆動用モータ開発において、磁気回路とインバータ損失の同時最適化を重視している。実務上ピーク効率だけでなく、低負荷域・高回転域・熱限界を含む損失分解と制御設計である。
1. 核心:磁気回路とスイッチング損失の同時低減
提案手法の中心は、巻線抵抗・鉄損・スイッチング損を単独で減らすのではなく、モータ定数とPWM条件を連立で設計することである。高効率化には、巻線占拠率の改善、磁極対称性の向上、鉄損低減、高周波スイッチングにおけるdv/dt・di/dt制御が必要になる。
損失の数理は、P_loss = P_cu + P_iron + P_sw + P_windage で表せる。銅損は P_cu = I²R(1+αΔT) で温度係数αの影響が大きく、鉄損は周波数と磁束密度の二乗近似で増える。スイッチング損は P_sw ≈ 1/2 V_dc I_sw f_sw で、f_sw上昇は効率に有利だが、ノイズ・熱・サージ圧のトレードオフが生じる。
2. 設計手順と数値目標
- 目標トルク・回転数・電池電圧から、極数・スロット数・巻線方式を確定する。
- 巻線占拠率を40〜55%へ引き上げ、銅損を10〜20%低減する。
- 磁束密度を1.0〜1.4Tへ抑制し、鉄損を8〜15%低減する。
- スイッチング周波数を5〜10kHzへ設定し、低負荷域の銅損低減と高周波損の均衡を取る。
